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渋谷で働く広告会社の社長のブログ

 
今年になって、「人生100年」という言葉が降りてくる。ある会社にお邪魔したとき、壁にかかっていた1枚のカレンダー。2001年から2100年までの100年の日付が1枚に収まったカレンダー。このカレンダーの意味合いは100年なんて、こんな紙切れ1枚か、と思ってしまうと共に、「きっと、あなたの死ぬ日もプロットされている」という裏メッセージがあることだ。 そのことを企業の教えとして社内で実践されていのが、「日本でいちばん大切にしたい会社」でも取り上げられている伊那食品工業さん。海のない長野県で寒天製品だけで48年間増収増益(!)を続けた超優良企業。会社の至るところにこのカレンダーが貼ってあって、社員に事あるごとに「自分の人生、仕事、プライベート、やりたいこと」を考えるきっかけをつくっているらしい。 100年カレンダー
 僕もさっそく購入し(笑)<販売は、日本記念日協会 http://www.kinenbi.gr.jp/>。新年早々、社内に貼った。感想は社員それぞれに任すが、俺はこの辺まで生きるな、私はこの辺、有澤さんはこれ辺で短く終わりですかね!なんて会話が飛び出る。人生設計に日付をつけて目標を定めよ、なんてことも言われるけれど、リアルにそんな気分になってくる。あと何年働くか、何年楽しんで動けるか、あれもしないといけない、これもしたい、と思いは募る。  

 さて、もう1つの100年は、『WORK SHIFT』で話題になったリンダ・グラットン著『LIFE SHIFT 100年時代の人生戦略』。国内でも100歳以上は6万人!(知ってました?)この長寿の記録は年々増えていくのは間違いなし。そのためには健康寿命で長生きする生活習慣術を学び実践しないと、どえらいことになってくる。本の中では60歳や65歳で定年する時代は終わりで75歳ぐらいまで働く環境づくりや技術をどうつくっていくかがポイントと説いている。 LIFE SHIFT
 僕ら50代は、あと10年とかと言ってられないのだ。どう長い後半戦を楽しんでいくか? 30代だって、あと40年ぐらいどうしていくかを真剣に考えないといけない。日本人は同じ会社で同じ職種でワークステージを終わらせるのが当たり前とか言われていたけど、そんなことはない。新しいシナリオ、新しいステージ、新しいお金の考え方、新しい時間の使い方について考えたい。会社の在り方だって、働き方だって、もう教科書はないのだ。社員みんなが面白く働ける会社をつくらんとあかんのだ。

 ちょいと昔、雑誌「wired」の誌面でレイ・イナモトさんというクリエイティブ・ディレクターの話を読んだことを思い出した。「広告の未来は広告でない」という話。

http://wired.jp/2012/11/29/reiinamoto/ 

コンピューターが進めば進むほど、自分の手にする体験や肌感が大事になってくる。
見たいモノ、欲しいモノは、ネット検索ですぐに視覚には届くが、なにか消化不良、手に入れたときの感覚が欲しくなる。

すると、デジタルの未来はアナログに価値が生まれる、メディアはプロダクトにとって代わる。
そして、ブランドの物語(ストーリー)よりも、ブランドが持つ行為や行動に重きを置かれる….なんてことが書いてあった。

たしかに、頷けた。  最近担当する仕事は、肌触りや体温、直接の体験価値が益々求められてくる。エクスペリエンスな事起こし。実体なき購買は、心にこない、愛着が生まれない。

大前研一氏が行っているが、いまの日本は「低欲望社会」。いくら金利を下げても、銀行からお金を借りる人も少なくなった。つまり、みんな欲しいものがなくなってきたのだ。意地でも欲しいものが少なくなったのだ。だから経済が回らない。

景気が上向かない。広告屋は「素敵な未来」をプロパガンダして経済効果を生み出さないといけないのに、ターゲット心理をついていない旧来依然の作法で仕事をしてもダメ。

ましてや、様々なメーカーが手軽なアイデアで新商品やサービスもつくってもヒットは生まれない。

生産と消費。もう一度、この普遍回路になにが必要か、何が足りないのかを、広告屋の僕らもとことん考えないと明るい未来は見えてこないかも。

 先日、とっても会いたい方に出会えた。友人の紹介でクリエイティブ・ディレクターから宇宙飛行士になった元電通のクリエイター高松聡さん。当時、その大胆な転職に僕は口が塞がらなかった。ポカリスエットのCMで世界初の宇宙モノをやった方。日清カップヌードル「No Border」も記憶に新しい。

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 で、いくらなんでも! それも50歳を超えてから! であったが、その無謀にも思えるチャレンジに心から拍手と賞賛を贈った。人間、思ったことを実現させるのに、遅いことはない、と。意地でも夢を実現させるリアルな想いと行動が何よりも大切なのだ。

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 お話を伺うと、彼は小学校の頃から宇宙飛行士になりたかったらしい。その夢を50歳を超えて実現されたのだ。同じ世代だからわかるが、70年代は米ソの宇宙開発競争で、「有人飛行」「アポロ計画」「月面着陸」は世界中のニュースだったし、月面に人間が降り立ち、そこにアメリカ国旗を立てる姿は、いまだに脳裏に焼き付いている。アームストロング船長が「地球は青かった」と名言を残したが、あの頃の少年少女には「宇宙」は途轍もなくわからなく、そして遠い存在だったにも関わらず、UFOの矢追ディレクターの番組も追随して、「宇宙」「宇宙人」は、夜空で夢を語る格好のロマンチックなネタだった。(何を隠そう、僕も小学6年の時に、裏山にUFO観察基地をつくったクチだ)。

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 ISS(国際宇宙ステーション)は90分で地球を1周すると聞く。つまり、世界の動き(光景)を90分で体験する。戦争の火の粉、爆弾もしっかりと確認でき、宇宙から見ると、「ホント、何してんだ、お前ら」という悲しい気持ちになるという。当たり前だが、宇宙から見ると国境はなく、星1つ、という単位で物事を考えるようになる。禅的思考。だから、政治家とかに真っ先に宇宙に行ってもらえば、世界はもっと平和になると仰った。納得。

 シンギュラリティ(Singularity)の話もでた。技術的特異点。最近話題になってきた言葉だが、このままコンピューターの演算速度が進んでいくと、人工知能が人間の能力を超えてしまうらしい。2030年〜40年までに、ロボットが人類を動かし始めるかもしれないという恐ろしい話である。もちろん倫理的、宗教的、人道的にそれは食い止められると信じたいが、計算上はそうなるらしい。すると、僕らの仕事はどうなるのか? 最近AIを使って仕事を考えたいという得意先も出てきた。バーチャルだった世界は、いま現実に進み始めている。

 目的をリアルに基いて語れる高松さんに、右脳だけで動きがちな自分を反省した。リアルは未来を創造する大事なモノサシだ。

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