肩書きがコピーライターから仕事全体をまとめるクリエイティブ・ディレクターになって久しい。仕事の入口から出口までを微に細に考え、仕上がりのクオリティや世の中の評判を気にする。決して自慢できる仕事じゃない。商品の売れ行きのこと、得意先のこと、予算のこと、スタッフのこと。あれこれジメジメ考える。だから、毛髪弱者になってしまったのかもしれない(泣)。

 

ある時、某企業のビジョンづくりの仕事をやっていた。スタッフに「うちの企業ビジョンはなんですか?」と質問された。「うん?」言葉に詰まった。実に多数のビジョンづくりとかやってきた癖に自社の分析なんて真剣にしたことがなかった。“広告制作という商業活動の一端を担い創造することで、社会や生活者に喜びを与える仕事”。誰のハートも動かない言葉が脳裏を走る。焦る。

 

“難しいことをわかりやすく。わかりやすいことを楽しく”。自分は翻訳家だと思ったことがある。身体の不調に悩む患者さん(企業)に最適な処方を施す医者だと思ったこともある。いや、ターゲットにいちばん分かり合える演技ができる役者だと自負したこともある。Who am I ?
 

 企業ビジョンは、経営指針や行動指針などにも一気通貫できる揺るぎない因子があるとブレにくい。昔、花王さんの社是は「清潔な国民は栄える」というもの。凄い!膝を打つ。戦後から高度成長をしていく時代に、商品づくりの現場から世の中まで引っ張っていける太い言葉だと感心したことがある。

 

で、たどり着いたのは、“アイデアで世の中を動かす。スマイルメーカー。自動車メーカー、アパレルメーカー、医薬メーカーと同じ様に、僕らは広告やコミュニケーションづくりを通して、お客様や社会にスマイルを生み出す”スマイルメーカー“ではないかと。日々、世の中にスマイルを製造し発信していくのだ。

50を越えたオヤジが何をご無体な!という輩もおられるかもしれないが、自称“スマイルメーカー”を名乗ると決めた。昔は、会議に居るだけで空気が和むなぁ。有澤さんはムードメーカーだなぁ。と言われたこともあって、“ムードメーカー
 ”、というのも悪くないと思ったが、やっぱ胡散臭い、気分屋過ぎる、詐欺師っぽい(笑)。

という訳で、スマイルメーカー。世の中の笑顔をつくるために僕らは一生懸命、ありったけの知恵を絞って汗をかこうと思う。会社も
クリエイティブ発想で課題解決に挑むスマイルメーカーズの集団でありたい。