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渋谷で働く広告会社の社長のブログ

2016年10月

 先日、とっても会いたい方に出会えた。友人の紹介でクリエイティブ・ディレクターから宇宙飛行士になった元電通のクリエイター高松聡さん。当時、その大胆な転職に僕は口が塞がらなかった。ポカリスエットのCMで世界初の宇宙モノをやった方。日清カップヌードル「No Border」も記憶に新しい。

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 で、いくらなんでも! それも50歳を超えてから! であったが、その無謀にも思えるチャレンジに心から拍手と賞賛を贈った。人間、思ったことを実現させるのに、遅いことはない、と。意地でも夢を実現させるリアルな想いと行動が何よりも大切なのだ。

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 お話を伺うと、彼は小学校の頃から宇宙飛行士になりたかったらしい。その夢を50歳を超えて実現されたのだ。同じ世代だからわかるが、70年代は米ソの宇宙開発競争で、「有人飛行」「アポロ計画」「月面着陸」は世界中のニュースだったし、月面に人間が降り立ち、そこにアメリカ国旗を立てる姿は、いまだに脳裏に焼き付いている。アームストロング船長が「地球は青かった」と名言を残したが、あの頃の少年少女には「宇宙」は途轍もなくわからなく、そして遠い存在だったにも関わらず、UFOの矢追ディレクターの番組も追随して、「宇宙」「宇宙人」は、夜空で夢を語る格好のロマンチックなネタだった。(何を隠そう、僕も小学6年の時に、裏山にUFO観察基地をつくったクチだ)。

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 ISS(国際宇宙ステーション)は90分で地球を1周すると聞く。つまり、世界の動き(光景)を90分で体験する。戦争の火の粉、爆弾もしっかりと確認でき、宇宙から見ると、「ホント、何してんだ、お前ら」という悲しい気持ちになるという。当たり前だが、宇宙から見ると国境はなく、星1つ、という単位で物事を考えるようになる。禅的思考。だから、政治家とかに真っ先に宇宙に行ってもらえば、世界はもっと平和になると仰った。納得。

 シンギュラリティ(Singularity)の話もでた。技術的特異点。最近話題になってきた言葉だが、このままコンピューターの演算速度が進んでいくと、人工知能が人間の能力を超えてしまうらしい。2030年〜40年までに、ロボットが人類を動かし始めるかもしれないという恐ろしい話である。もちろん倫理的、宗教的、人道的にそれは食い止められると信じたいが、計算上はそうなるらしい。すると、僕らの仕事はどうなるのか? 最近AIを使って仕事を考えたいという得意先も出てきた。バーチャルだった世界は、いま現実に進み始めている。

 目的をリアルに基いて語れる高松さんに、右脳だけで動きがちな自分を反省した。リアルは未来を創造する大事なモノサシだ。

二十歳の頃、広告づくりに取り憑かれ、DDB(米国マジソンアベニューの広告代理店)がつくるフォルクスワーゲン”Beatle"の広告に憧れた。コピーライターの視点、切り口、絵づくり、言葉づくりに、いちいち感動していた。「人を動かせるものは、ぜんぶ広告だ」と思って、あの日から約30年、メディアを問わずコミュニケーションツールを山ほどつくってきた。(実現できず悔やまれた昔の媒体といえば、駅の階段広告と飛行船広告ぐらいだった)。箸袋のデザインから某首相の言葉づくりのお手伝いまでやってきたし、商品開発やお店づくり、CM音楽、地域起こしもやってきた。

 

長年、大手広告代理店のクリエイティブ・パートナーとしても、数多くのクライアントの広告づくりを担当し、マーケティング、宣伝・広報を手がけてきた。時折、国内外の広告賞もいただき、売上貢献、販促支援、ブランド発信、ソーシャルデザインの実績で評価もいただいてきたが、たえず1つの悲しみが去来することがある。

 

ずっと、つきあえない、のだ。

 

大企業であればあるほど、人事も激しい。ご担当が変われば、主義や主張も変わる。また担当代理店の人事異動でも、あっけなく関係が途切れることが起こるのだ。そのたび競合プレゼンになったりして。涙がでるぜ。僕らは中長期で考え、純粋に3年、5年とお付き合いしたいのに、一夜にして彼女がどこかへ引越しまう虚しさを覚えるのだ。

 

業界歴30年を越えて、そろそろ仕事の集大成期間になろうとしている時、僕は絆を大切にできる関係づくりを選ぶことにした。直接な関係で、企業の「稼ぐ支援」「社会評価支援」「社員のモチベーション支援」を永年に渡って担当していきたいと決意した。企業の存在、存続、鮮度の維持・交換も含め、商品やサービスの成長とプロセスをロングタームで共に歩むことが、伴走するアドマンの最高の生きがい、と信じでやまない。ずっとパートナー。晴れの日も雨の日もあるかもしれないけれど、一緒に歩いていける相手様と仕事をしていきたい。そして、その姿を次につなげたい。

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